冬から春にかけて花の少ない季節が来るんですが、そんな時期にあって南天の赤い実は、何だか気持ちを和やかにしてくれますな。どおってぇ事のない小さな赤い実なんですが、たまらなく好きなんです。
蜻蛉玉の「ゆら玉」であります。あたしんところで扱っている簪の玉よりも一回り小さくして造っていることもありまして、この赤玉はまるで南天の実のようでありますな。更に小さなものをいくつか束ねまして、本当の南天の実のように造ったら面白いかも。いやいや、職人が怒り出すような難しいものはちょいとどうかなと考えたりもするんですが、しかし、ちょいと難しい物もやんなくっちゃ腕も磨くことは出来ませんでして、提案してみようかなと。おっと、あたしの意匠の腕も磨かなくっちゃな。知恵を絞って考えるのも楽しいものであります。
ゆらゆらと揺れて髪飾るゆら玉であります。楚々として可愛らしいものがいいようでありますな。
(結構気に入ってる)