今日は女房の部下が結婚式をってぇ事でして、金封袱紗を持って出かけていきました。お祝いの席でありますから、礼に則らなくっちゃいけないってぇのは大人の嗜みでありまして、そんな道具もちゃんと持っておかなくっちゃな。
あたしが持っているのは「和久田手(わくたて)」ってぇ名前の柄でありまして、やはり古からの名物裂と呼ばれるものであります。和久田手は、藍色地に流水と沢瀉(おもだか)を表し、間地に鷺(さぎ)、鴛鴦(おしどり)や鴨(かも)と思しきそれぞれ二羽の水鳥と魚を配しております。そんな蓮池の風景を簡略な表現でもって意匠化したものでありまして、楚々として愛らしく涼しげな名物裂でありますな。
(これはね、ちょいと気に入っております)