秋の光ってぇのはコントラストをはっきりさせまして、ちょいと鈍(にび)の様な色合いを作り出しますな。同じものを見ましても、ほかの季節よりも色合いがぐっと濃く出まして実に深みが出る。ま、ダークって感じじゃなくってシックってぇ感じでありまして、京都で言うところの、こっくりとした色合いってぇヤツでありますな。
いくらいい簪と言えども一人歩きして見られる訳じゃござんせんでして、やはり装われる方が在りきであります。季節に沿った装いてぇのはなかなかに楽しいものでありますな。そんなお手伝いをする小さなものであります。が、意外と要だったりもするところが妙味だったりいたしますな。
(秋も深まっていきますな)