ぶん屋の抽斗

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2015年 12月 31日

大晦日の朝餉

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「お味噌はどうしますか?」

「白味噌にしとくれ」








一年なんざ訳もねぇものでして早や大晦日でありますな。一年越しで見つけた今の家でありまして、去年の暮れにはここを買うことに決めていたななんてね。今年は明けてすぐに金融機関やら行政書士やらとの算段をいたしまして家を買う段取りを決めておりました。元の持ち主がまだ暮らしていたこともありまして引き渡しは9月いっぱいってぇことでもってそのつもりでいろいろ段取りを取ることに。そうこうしているうちに2月も終わりの頃突然の激しい頭痛でもって救急搬送。自分でも脳溢血か脳梗塞、はたまたくも膜下出血かと思った。しかしCTには何も映し出されることなく何ともないと。その日はそのまま家へ帰ったんですが、翌日にも同じ症状で救急搬送されましてそのまま入院。翌日にはMRIにより精密検査をいたしましてやはり何も異常がない。しかして、そのあたりから手足の痺れがひどくなりまして「ギランバレー症候群」と診断をされる。本来外部から入ってきたウイルスなどを攻撃する抗体が、よもや自分の末梢神経を攻撃するなんてぇ変わった病気であります。で、抗体グロブリン点滴を5日間行いまして、医者が言うにはダウンピークを迎えればあとは良くなるだけですよと。しかし、5日間の点滴を終えた後、いきなり体中の激痛と42度の発熱と血圧の下が182、上は234と異常な数字を見せまして死線を彷徨うことに。内臓や呼吸器などの自律神経系統が麻痺を起こしましてこれがやばかった。痛み止めの薬も効かなくって4日間はどうにもならない状況が続きましてステロイドが何とか効いて一安心。一日に1000㎜gのステロイド点滴を三日間、あまりに体に負担が来るってぇことでもってその後の3日間は点滴を休むってぇことだったんですが、点滴をはずした翌日にまたもや同じ症状でもってやばい状態に。更なるステロイドの点滴。その後ステロイドを服薬することで何とか症状は和らいだものの、体の麻痺は依然続きまして歩くこともままならない。病名は慢性疾患てぇことでもって「ギランバレー症候群」から「CIDP(慢性炎症性脱髄性多発神経炎)」てぇことに。思い出しても切ない。そんなこんなで二か月後には何とか退院したものの自分で何かができる訳でもなくって自宅療養。ほぼ寝てるだけ。それでも少しずつ回復の兆しが見えまして車いすから杖による歩行にまで回復し、なんとかこの家へ引っ越しもできることに。その間女房の心労を考えると申し訳ない気持ちでいっぱいになりますな。彼女はあたしが退院した直後から正社員登用の試験があったり、ぎゅうぎゅうに仕事が詰まっている中でありましてよく通ったななんてね、朝餉をいただきながら振り返る。まだまだ療養も治療もしなくっちゃいけませんでして、あたしの方は年が明けた6月辺りが一つの目処ってぇことで医者が言う。いい加減治ってくれねぇとたまらない。未だに手足の痺れはありますし、何より力がうまく入らない。特に足腰に力が入らなくってなかなかに往生する。今年は家を買った事、あたしの病気の事、女房の飽和した仕事の事でもって我が家の一年はそれに尽きたかなと。色々ありましたが、それでもここの環境は素晴らしくって自然がいっぱいでもって家も広い。療養するにはもってこいでありまして、女房もとてもまんぞくしているようであります。毎朝の朝餉も気持ちのいいダイニングでもっていただけてうれしい。年が明けましてもいろいろといいことがあるような気がしてなりませんし、この楽しい朝餉が何時までも続きますようにと。今朝もおいしい朝餉をありがとう。

(陽が差してきたな)






by komamono_bun_ya | 2015-12-31 09:55 | 朝餉の風景 | Comments(0)


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