女房が、昼は「浅草軒」がいいってぇ事でもって、何も反対する理由もなく舞阪へ。ここの大将は、以前砂山町にあった「浅草軒」で修行をいたしまして舞阪町で店を開いた。ま、暖簾分けってぇことになりまして、それで店の名前は「浅草軒分店」と。もう本店がないので、誰しもが「浅草軒」と言えばここの事ってぇことになりますな。
昼ちょいと前に入ったんですが、そこそこに賑わっておりまして、若い方との相席で座ることに。冷やし中華の札も取られておりまして、ああ夏は終わったんだと、そんなところでも季節を感じることになる。となればは話しは簡単でありまして、注文も「中華と中華の大、餃子の大ね」で終わる。何せ中華そばと餃子しかありませんから。が、この中華そば、昔ながらのダシとかえしの清湯スープといたってシンプルでもってトラディショナルな一杯であります。豚ガラのふわりと遠い甘さと鶏ガラのさっぱとした味わい、魚介のコクを加えまして浅めの返しがいい。ま、返しにはちょいとブレがありまして、今日はちょいと薄めでもってかなり好きな味でありますな。チャーシューもお約束の二枚でもって噛めば押し返してくる弾力がいい。シナチクもしっかりした歯応えでシャキシャキと味わい深く、蒲鉾に葱の小口切りと、これほどシンプルなラーメンも少なくなっちまいましたな。ちょいと麺を行きましておもむろに器をうやうやしく持ち上げましてスープをすする。ああ、幸せ。
外はかりっと焼き上げてありまして、ちょいと噛み付きますってぇと、相変わらず中身がパンパンに詰まった餃子はジューシーでもって食べ応え十分であります。餃子も美味いってぇのが憎い。女房ともども腹いっぱいにいただきましてご馳走様でした。
(帰る頃には相変わらず行列でした)