職人さんと考えて作った玉でありまして、生成りの地に紅葉をあしらって見ました。パッと考え付きそうで意外と出てこないものが意匠なんですが、こんな感じがいいなと思いましても、形にしますってぇと、もう少し小さ目がよかったの、色合いがちょいと思ったものと違うだのとなかなか思ったものが来ませんな。
こういうときは、躊躇しないでとにかく作ってみる。ダメならダメで仕方がありませんし、やってみなくっちゃ丼な塩梅かもわからない。恐らく、いろいろなものを作るとして、良い出来栄えってぇのは本の一握りでありまして、その一握りの出来栄えのいいもののために、考えるのもイヤになるほどの失敗があったりしますな。まま、そうは言いましても好きでやっていることでありまして、良いものができればそれまでの苦労もふっとぶってぇものであります。さて、紅葉の見ごろもだんだん近づいてまいりますが、一番の盛りは20日前後ぐらいなんでしょうかね、山装う季節でありますな。
(自然の中に全ての意匠がある)